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376話

私も珍しく彼と言葉を交わさず、しばらくして寮に戻ることにした。

以前の私は、少しでも林峻と一緒にいられる機会があれば、SMどころか、ゲームすらしなくても構わないと思っていた。だって当時、彼はSだと思っていたし、私にはMの傾向が全くなかった。こういうことは結局お互いの合意があってこそだから、そうなれば一緒に資料でも見ようと思っていた。

今、私はうっすらと気づき始めている。もし私の観察が間違っていなければ、彼にはM気質があるのだ。

……少なくとも、痛みを好むようだ。

でも彼を見ていると、頬にも傷があるし、さっき見た体の傷も無秩序に散らばっている。もし私が彼を打つとしたら、こんなにめちゃくちゃ...