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374話

「……つまり、次回君がやらなくても、僕は手伝わないよ、ということだね」

「冗談だよ」私は慌てて言い、彼を褒めた。「君は15分でできるなんて、すごいじゃないか。僕は2時間もかかったのに、どうやったの?」

「これは公式を使えばすぐだよ」彼は何気なく紙を一枚破り、その公式を書いて私に渡した。

私はそれを受け取り、心の中のモヤモヤが少し晴れた気がした。突然、自分が行きたくなかった本当の理由を思い出した。以前、彼と二人きりでいると楽しかったし、またそのチャンスが来たのだから、つかまなければ。

でも私が使った言い訳は、彼には嘘だとわかっているはずなのに、彼は指摘しなかった。

つい考え込んでしまう...