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364話

「十七番、林隽(リン・ジュン)」

林隽の膝が床に触れた瞬間、ぼんやりとした意識の中でそんな声が聞こえた気がした。窓際の真ん中の席から一人の少年が立ち上がり、顎をわずかに上げて、真っ直ぐに教壇へと向かう。

「伏せ」

沈知辞(シェン・ジーツー)の声がすぐ近くで響く。林隽は前に身を倒し、両手を床について腰を下げた。首だけは高く上げたまま、自分の主人を見つめる。

耳元では遠くから規則正しいチョークの音が聞こえてくる。黒板には整然とした文字が並んでいく。それは彼が長年かけて編み出した、黒板で美しく簡潔に見える書き方だった。頭の中ですぐに思い浮かぶ内容を黒板に書き出すと、下の生徒たちは目から鱗が落...