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345話

林俊は何かに気づき、思わず歓声を上げて手を伸ばそうとしたが、沈知辞は素早く手を閉じて、指輪を手の中に隠した。林俊はその形すら見ることができず、沈知辞の手を引っ張って開かせようとした。

「欲しいのか?」沈知辞は手を緩めず、にこにこと笑いながら言った。「なぜ欲しいんだ?」

「あなたと永遠に一緒にいたいからです」林俊は沈知辞の指を無理に開く勇気もなく、甘え作戦に切り替えて、頭を下げて彼の手を舐めた。「見せてください…」

「今はまだあげられない」沈知辞は小さなローターを手に取り、指輪をそれに通すと、ちょうど引っかかった。「でも、ここに置いておくことはできる…」

そう言いながら、彼は指輪を取り付...