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339話

「うわっ」と沈知辞が声を上げ、慌てて後を追いかける。林隽はドアを蹴り開けて後ろに飛びのいたが、中から刃物を持った人間が飛び出してくることもなかった。

「行くにしても、そんな突撃の仕方はないだろ!」沈知辞は小声で彼を叱り、お尻をつかんで強く痛いほど握りしめたまま離さない。

林隽は痛みに飛び上がりそうになり、すぐに許しを請う。「焦ってたんだよ、悪かった。もう突っ込まないから、言うこと聞くから」

中にいる人間は二人のひそひそ話だけを聞いて、何かを企んでいると思い込み、先に我慢できなくなって叫んだ。「入ってくるな!吟木プロジェクトの資料は全部俺が持ってるぞ!」

沈知辞はようやく林隽を解放した。...