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261話

彼は藤条に涙をぽたぽたと落とし、後悔と恐怖に襲われていた。

これまで沈知辞が自分を可愛がってくれるのをいいことに、好き勝手に振る舞ってきたことを後悔していた。もしかしたら自分はすでに沈知辞の忍耐と優しさを使い果たしてしまったのではないか、だからこそ今は自分と話すのも、言い訳を聞くのも望んでいないのではないか。

それこそが林隽が恐れていることだった。

沈知辞を満足させる基準に達するため、林隽は慌てて顔の涙を拭き、藤条を口にくわえた。

ドアまで這っていくと、腫れて痛む尻をさすり、再び身をかがめて素早くリビングへと這い進んだ。

沈知辞は林隽が藤条を持ってくるのを待ち、床を指さした。「うつ伏せになって...