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256話

林峻は薬膏を手に持ちながらしばらく眺め、ようやく少量を指に出して肌に塗りつけた。

力を入れて触るのが怖く、なぜだか分からなかった。先ほど沈知辞が揉みほぐしてくれた時も少し痛かったのに、あの時は快感を覚えたのに、自分でやると怖くなってしまう。

軽く撫でるように塗り、先ほど見た感じではそれほど酷くなさそうだったので、もう塗るのをやめることにした。

沈知辞は眠っているし、しばらく出てこないだろうと林峻は推測して、もう一度茶卓のところまで這って行き、首輪を取るべきかどうか迷った。

今はそれがお守りのように思えた。手に握っていれば安心できる。寝るときに持っていて、明日早く起きて元の場所に戻せばいいと考...