虚ろな喜び

232話

それに彼は義理の兄が暁芳を見る目線に何か変なものを感じていたが、その違和感の正体を突き止められずにいた！

「元々この服は高すぎると思って、あまり欲しくなかったの」

それに加えて張さんも似合わないと言うので、私は少し躊躇してから言った。「若陽、この服は確かに私には合わないわ。やっぱり返品しましょう」

「ダメだよ、姉貴の旦那の戯言なんか聞くな！」

若陽は慌てふためいて、急いで言った。「君が着るとすごく似合ってるよ！」

私がスカートの裾を軽く持ち上げてくるりと一回転すると、若陽はたちまち目を見開いて見とれてしまった。

張さんは動揺こそ見せなかったものの、じっと動かない熱い視線で見つめてき...