虚ろな喜び

194話

「どうすれば法廷で勝率を上げられるか」と考え続けていた私の思考を中断するように、一通のメッセージが突然画面に浮かび上がった。

【暁芳、俺の部屋に黄色いダイヤルロックの箱があるから、この住所まで持ってきてくれないか】

張兄からのメッセージだった。頭の中の混乱した思考を振り払い、苦しみから我に返る。

彼の部屋のドアを開け、部屋を見回すとすぐにその箱が目に入った。手に取ると少し重みがあり、ずっしりとしている。中身は何だろう。

「あれ、この住所は？」

送られてきた住所を開いた瞬間、思わず驚きの声が漏れた。

張兄が送ってきた住所は金来順という料理店で、場所はなんとボーダー村の近くだった。車で行けば、ちょ...