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138話

彼女の去っていく後ろ姿を見つめながら、私は黙々とカバンから赤く光る物体を取り出した。

録音ペンだ!

私は意図的に李姝児にこの件を主導させたのだ。そうすれば彼女の弱みをもう一つ握ることができる。結局、この件は大きくも小さくもなり得るのだから。

今後、李姝児に何か問題があれば、私は彼女と心中する覚悟だってある!時間が経つにつれ、彼女はますます私の掌の上で踊らされることになるだろう!

さっと録音ペンの電源を切り、再びカバンにしまうと、私も急いで家に戻った。

ドアを開けるなり、かすかに香ばしい匂いが漂ってきた。

この匂い、キッチンから来ているようだ。誰かが料理をしている?

電気をつけ、そっとキッチンへ...