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900話

「消しただけで良かったです。残念ながらこの事件は報道できませんね。そうでなければ、趙老は英雄になれたのに」と甄妮は惜しむように言った。

私は苦笑いを浮かべて言った。「英雄なんて、なれなくても構わないよ。そういえば甄院長、あの患者の遺体を見せてもらえないだろうか」

「それは...わかりました。ただ、趙老、心の準備をしておいてください。彼の体は今、非常に恐ろしい状態なんです」甄妮は頷きながら言った。

「わかった」私は甄妮の言わんとすることを理解した。

甄妮は私を霊安室へと案内した。約20分歩いて霊安室の入り口に着くと、専用の防護服に着替えて中へ入った。

一番奥の隅まで進むと、甄妮は二人の...