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374話

翠玉のお父さんは、自分の身に纏わりついた厄を感じていた。どこへ行っても追い出されるばかりで、通りかかった温浴施設を見て、ふと思いついた。「一風呂浴びて、この厄を落とせば、運が向いてくるかもしれないな」

翠玉のお父さんが中に入ると、受付には女性が一人だけ立っていた。こんな時間だと普通は誰も入浴に来ないため、他のスタッフは既に帰宅し、一人だけが当直を務めていたのだ。

受付の女性は翠玉のお父さんが入ってくるのを見て、尋ねた。「お風呂だけですか、それとも宿泊されますか?」

「ここは宿泊もできるのかい?」翠玉のお父さんが問い返した。

「はい、客室もございます。188元のお部屋、288元のお部屋、...