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370話

洪天虹の目は今や血走っていた。彼は男をじっと睨みつけ、その視線に男の両足はすくみ上がった。男は洪天虹の目に宿る冷気を肌で感じ取っていた。

「別に何もない。弁償はするさ。これで出られるのか？」洪天虹は言った。

「これにサインすれば出られます」警官が言った。

洪天虹は書類を受け取るとすぐさまサインし、警官が近づいて手錠を外してくれた。

洪天虹は外に出ると、あの男の後をつけ始めた。男は後ろに誰かがいることを感じ取り、振り返る勇気もなく、ただ早足で歩いて撒こうとした。途中まで来て、もう大丈夫だろうと後ろを確認すると誰もおらず、ほっと胸をなでおろした。

男は本性を取り戻し、ある美容院に入ってい...