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1016話

「この白杖は義姉さんが新しく買ってくれたもので、使わないときは縮めることができて、短くなるから背中に付けられるんだ」

街へ向かう道中で考えていた。知り合いに会う確率はかなり低いから、時には盲人を演じなくてもいいだろう。

だが、住宅街のあたりでは、やはり盲人のふりをしなければならない。

路地を出て数百メートル歩き、周りに誰も自分に注目していないことを確認すると、白杖をしまい込んだ。そうして、普通の人間に戻ったのだ。

なんて気持ちがいいんだろう!

目の前に広がる新鮮な世界に、胸が高鳴った。

ここが田舎者を魅了して故郷を忘れさせる場所なんだな!

まるで劉ばあさんが大観園に入ったような気...