奪い取る愛

97話

「ええ」林清遠は憚ることなく頷き、瞬きする時の眼差しは非常に狡猾だった。「もし三少がもう少し葉司令に引き止められていたら、もっと楽しく話せたのにな〜」

林清遠の言葉には棘があり、暗示的な意味が強く込められていた。陸儼には葉少東が笑っているのが見えたが、その気配は冷たく、腰に回された腕はまるで鋼の鉗子のようで、彼は身動きひとつ許されなかった。

「そうですか……それは残念だ」葉少東が陸儼の腰を抱く姿は甘く、強い独占欲を漂わせていた。それでも彼は軽薄に陸儼の赤らんだ耳たぶを軽く舐め、そして傍若無人に笑い出した。「夜も更けたし、私と彼は帰ってからも楽しむことがあるんでね。今日は林公子に我慢してもら...