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89話

「何が変だって?」

突然の爽やかな声が二人の間に割り込んできた。三人はほぼ同時に振り返って声の方を見た。葉少東はすぐに、愛妻を腕に抱いて近づいてくる軍服姿の男に向かって眉を上げた。「二兄貴、なんで父さんの誕生日にまでそんな堅苦しい格好で来るんだよ?」そう言いながら、葉正東の隣で花のように微笑む女性に視線を送った。「お姉さん、彼のことちょっとは管理してやれないの?」

「あなたのお兄さんと結婚してこれだけの年月、ずっとこのスタイルじゃない?私にどうこうできるわけないでしょ」その愛らしい女性は少し冗談めかした口調で言うと、顔を上げて、にやりとも取れる表情で自分の夫を見上げた。

葉正東は大笑いし、...