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50話

状況に気づいた男は先ほどの質問を繰り返し、それから脅すように手の中の球をさらに奥へと押し込んだ。高くなった声には、無視できないほどの圧力が込められていた。「──答えろ!」

さらに一寸ほど押し込まれた球に、陸俨はぞくりと身震いした。彼の意識が再び集中し、歯を食いしばり、荒い息を吐きながら残りわずかな理性を何とか取り戻そうとした。しかし、この瞬間に葉少東に逆らう勇気はもはやなかった。「……はい」

親指で球をさらにほんの少し奥へと埋め込むと、球の侵入に伴い、内壁を広げていた指はすっかり引き抜かれていた。「こんな風にケリをつけるつもりだったのか?」

「俺は……」陸俨は眉間にしわを寄せ、苦しさのあ...