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41話

癒えつつあると思った傷口が残酷にも引き裂かれ、すべてが目の前で鮮やかに脈打っていた。薄暗い光の中、淫靡な匂いと鮮血の色が混ざり合い、記憶の奥底から解き放たれて襲いかかってくる。彼は無防備だった。手も足も出ず、葉少東の前でこれまで必死に守ってきた冷静さと誇りが、今や維持できそうにない……

彼の張り詰めた声はすでに震えていた。彼はビリヤード台の眩しいほどの碧緑色から目を逸らし、「他の人を探してください。私は……何年もキューを握っていないから、もう下手になっています」

葉少東はゆっくりと身をかがめて床に落ちたキューを拾い上げ、慣れた手つきで先端にチョークを付け、それから陸儼の手に戻した。彼の冷た...