奪い取る愛

36話

葉少東の脅迫は強引ながらも力強いものだったが、それが彼の妥協条件であり、陸儼も受け入れるしかなかった。

葉少東が出発した当日、陸儼は履歴書を提出した。彼の学歴と経歴が物を言い、さほど苦労することなく、三日後には郊外の新興不動産会社のデザイン部門長として採用された。

それからというもの、陸儼は葉少東の住まいと会社を往復する日々を送っていた。毎日我慢して葉少東からの電話に応対する以外は、特に問題もなく過ごせていた。

陸儼はむしろ、葉少東がこのままずっと戻ってこなければいいのにと願っていた。

だが、思い通りにはいかないもので、彼が入社して一週間後の次の月曜日、葉少東が帰ってきた。

飛行機を...