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822話

裴佳媛の体が、急に力なく崩れた。

劉名揚は裴佳媛の手を引き寄せ、指を絡ませながら彼女を抱きしめた。

二人の指先を通して、ほのかな温もりが流れていく。

「姉さん」

「うん」

「抱きしめていると、心が落ち着くんだ」

「うん」

「抱きしめていると、温かくて、幸せだって感じるんだ」

「うん」

「抱きしめていると、もう世界全てを手に入れた気分になる」

「うん」裴佳媛はそう返した後、突然声を詰まらせた。「名揚、私も幸せだよ。私も世界全てを手に入れたように感じる。名揚、愛してる」

「姉さん、僕も愛してる」劉名揚は喉が詰まる感覚がした。心の琴線が共鳴し、胸が震えた。

「姉さん、これからは、もう二度と離れないで...