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819話

劉名揚は言い終わると、すぐに裴佳媛の腰に手を回し、外へ向かって歩き始めた。

裴佳媛は少し抵抗してみたものの、すぐに劉名揚の腕の中に身を任せ、エレベーターへと向かった。

二人がエレベーターに乗り込み、ドアが閉まる瞬間、劉名揚は突然裴佳媛を強く抱きしめ、彼女の柔らかな唇に激しくキスをした。

「んっ……」裴佳媛は一瞬もがいたが、すぐに抵抗をやめた。

吳母と吳強という障壁がなくなり、裴佳媛の封じ込められていた愛情が、ついに激しく溢れ出した。彼女も熱烈に劉名揚に応え、目から涙がこぼれ落ちた。

劉名揚は顔を上げ、優しく裴佳媛の涙を唇で拭うと、深い愛情を込めて言った。「姉さん、泣かないで。喜ぶべき...