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365話

この会社は、自分の手で一から築き上げたもの、まるで自分の子供のようなものだった。なのに今、自分とは無関係になってしまうのだ。

裴佳媛の悲しみを見て取り、劉名揚は後ろで歯を食いしばりながら言った。「姉さん、慧園建築が欲しいなら、俺が取り戻してやるよ」

裴佳媛は慌てて手を振った。「名揚、いいの。あの人と別れて、あなたと一緒にいられるだけで十分よ。会社は彼にあげてもいい。ちょっと待っていて、彼を呼び出して、離婚手続きを済ませてくるわ」劉名揚が頷くのを見て、裴佳媛は一人で慧園建築へと向かった。

彼女は劉名揚と呉強が反りが合わないことを知っていたので、一緒に行かせなかったのだ。

劉名揚はタバコに...