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2150話

「通じた、通じたよ」そのとき、趙雅思が声を上げた。

裴佳媛はぱっと立ち上がると、電話を奪い取り、耳に当てて急いで叫んだ。「萌萌、あなた?」

しかし電話からは男性の声が聞こえてきた。「もしもし、どちら様ですか?この電話は道端で拾ったものですが、私は萌萌なんかじゃありませんよ」

「あの、あなたは沙川県の桜桃溝にいるんですか?」裴佳媛は息せき切って尋ねた。

「はい、今桜桃溝村の近くにいます。今から人を救助しに行くところです」その男性が言った。

「誰を救助するんですか?」裴佳媛の声は八オクターブ高くなった。

「劉名扬です。彼はここの救助ヒーローなんですが、人を救うために山の崖下で岩に押しつぶされて.....