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1912話

「名揚、あの時、私は雪のことを思い出したの。

雪があなたと関係を持ったのは、私たちが付き合う前のことだったはず。だから、私には彼女を恨む理由なんてないわ。その後、二度目の関係は、私たちの仲がほとんど壊れかけていた時で、あなたが苦しんでいる中、楊梅の取り持ちでのことだったでしょう。だから、雪は決して私からあなたを奪おうとしたわけじゃない。私に雪を恨む理由なんてあるかしら?

これが私が雪を側に置いておきたい理由なの。

名揚、雪はあなたを愛している、それは見て取れるわ。でも雪は自分を大切にできる人で、私を裏切るようなことは何もしていない。なら、どうして私が泥棒でも警戒するように雪を警戒する必要がある...