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172話

「パパ、もう行くの?」

青青の言葉が裴佳媛の思考を遮った。劉名揚が青青の手を引いて出ようとするのを見て、彼女は慌てて後を追った。劉名揚の顔をまともに見る勇気もなく、青青の手を取って言った。

「青青、ママが送ってあげるわ」

劉名揚は何も言わず、黙って外へ向かって歩き出した。

裴佳媛は一瞬だけ劉名揚を見上げると、青青の手を握ったまま、黙って後に続いた。

車の前に着くと、劉名揚は青青の手を引き、裴佳媛には目もくれずに言った。

「君は帰りなさい。僕と青青はタクシーで帰るから」

「送らせて」裴佳媛の声は少し震えていた。

劉名揚の体はその場で硬直した。

「パパ、どうしてママに送ってもらっちゃダメなの...