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1368話

程遠程の病室。

程の母は十五億の資金が遠程グループの口座に振り込まれたのを見て、喜びを隠せなかった。

「あら、これで良かったわ。私たちの遠程グループが被った損失が、ようやく全部戻ってきたわ」

程萌萌は母親を見つめ、眉をひそめて言った。「お母さん、あの十億の身代金は私たちが取っておくべきだけど、この五億の補償金については、名揚お兄さんに二億渡すべきだと思うわ。今回、名揚お兄さんがいなかったら、十億を取り戻せなかっただけじゃなく、私だって無事に戻ってこられたかどうか分からなかったのよ」

その言葉を聞いた程の母は躊躇し始めた。

確かに萌萌の言うことは正しい。だが、あの真っ赤な札束を劉名揚に二億も...