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1007話

「レイリーっていう子、すごく俺の好みだな」

男というものはそういうものだ。自分が手に入れられないものが、いつだって一番良く見える。

そんなことを考えながら、美容院の前に到着したウー・チャンは、ブレーキを踏んだ。彼は携帯を取り出し、レイリーに電話をかけた。

電話はつながらなかった。

ウー・チャンはもう一度かけ直した。今度はようやくつながり、電話からレイリーの声が聞こえてきた。「もしもし、だ、だれ?」

明らかに酔っている様子だ。

「ウー・チャンだ」ウー・チャンは単刀直入に言った。

「ウー・チャン?あんたは私を無視してたじゃない。わ、私は一人で酒を飲んでるの、なんで邪魔するの?」レイリーは酔っぱらっ...