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949話

「はい、もう離しますよ」小さな彼女の頭をポンと叩きながら、私は恋しくて仕方ないのに両手を離した。もう一度見つめる勇気もなく、部屋を出ようとする。「行って、髪を乾かしておいで。下で待ってるから」

彼女の初々しい体には、まだ透明な水滴が光っていた。丸みを帯びた白く小さな足が、黒い床を踏みしめ、鮮やかな対比を生み出している。

その強烈な視覚的衝撃に、私の視線の置き場がなくなった。

一方では恥ずべき気持ちが自分に言い聞かせる。妹に手を出してはいけない、まだ子どもだ、まだ幼いんだ!

だが他方では、心の奥底の悪魔が嘲笑う。「見るところは見たじゃないか。触れるところも、船の上ではもう触れたじゃないか...