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917話

「金が欲しいのか、それとも人脈か?」

私はダイダイの髪を指で持ち上げ、鼻先に寄せて匂いを嗅いだ。深く息を吸い込む。彼女が使っているボディソープもシャンプーも、私とほぼ同じはずなのに、なぜか彼女の身体からは、より良い香りがする。これが男と女の違いなのだろうか?

眉を寄せながら考える。やはり彼女の方が香りがいい気がする。

「ははは、さすが弟分は気前がいいな!金なら兄貴にはたんまりあるぜ、へへっ!」

彼は何度も笑った。私がダイダイに夢中になればなるほど、彼は満足げな顔をする。

「ああ、いいさ。何が欲しいのか言ってみろ。俺ができることなら、必ずやってやる」

ダイダイの顔が赤く染まり、私の胸...