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912話

「放せ」

私は目を鋭く光らせ、足に力を込めて、彼女の手から振りほどいた!

「このあま、俺がお前を抱いてやるのは光栄に思え!」

その男は私が女など相手にしていないのを見て、容赦なく女の顔に平手打ちをくらわせた。瞬時に女の口元が切れ、一筋の血が流れ出した。

「このあま!大人しく寝ろ、足を開け、俺がどっちが強いか、お前の意地っ張りか俺の力か、ぶち殺してやる!」

私は少女を担いで前に進みながら、表面上は何食わぬ顔で、大きな手で少女のお尻を一度叩いた。だが背筋には冷たいものを感じていた。あの女が、ずっと私を見つめている、見えなくなるまでずっと私を見つめていたのだ。

「王様、こちらが船の中で一番良い部屋で...