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895話

入ってきた時点で、劉衛士は部屋を一通り調べた。外で私たちを見つめていた視線は、旅館に入った途端に消えていた。入ってこられなかったのか、あるいは別の理由があるのか、とにかく跡形もなくなっていた。私と劉衛士は少し身支度を整えると、食事を探しに出かけ、それから宿を見つけ、先に到着している仲間たちと連絡を取る予定だった。

「よし、じゃあ俺は近くを見て回る。お前は宿を探せ。手分けして行動するか?」

私は我慢できない様子で、この地に着いた途端、資料に書かれていた場所をどうしても見たくてたまらなかった。劉衛士はもちろん私の心を見透かしていて、少し考えてから頷いた。「いいだろう。だが、気をつけろよ。ここは...