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850話

淡々とした、かといって冷たくもない声。

「この声、マジかよ、めちゃくちゃ聞き覚えがある、これは張さんの声じゃないか?!」

視線を前に向けると、やはり張さんだった。相変わらず儒雅な雰囲気で、両手を背中で組み、静かに私たちを見つめている。

彼が私を見たのか、私だと気づいたのかはわからない。だが胸の内はぎゅっと締め付けられた。これだけ長く一緒に仕事をしてきて、最近は会っていなかったとはいえ、彼が私を認識していないなんてことがあるだろうか。

老人が前に進み出て、張さんと握手を交わした。「わざわざ会いに来たんだよ。ついでにジョンの件について相談したくてね」

老人は大笑いしながら、張さんの手をがっしりと掴...