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735話

「まったく、面白いことだ」

私はソファに正座し、しばらく考えた末、この男を重点観察対象リストに入れることにした。

しかも、この男の情報は、隊長が私に渡した様々な資料の中に一切出てこなかったのだ。

婉児さんは一晩中下りてこなかった。私は適当な客室を見つけて眠りについたが、真夜中になると、上の階から非常に怪しげな声が聞こえてきた。

「んん、痛い!」

婉児さんの声だ。しかも、その声を聞けば何をしているのか一目瞭然だった。

私の頭は一瞬で冴え、素足のまま飛び起きると、数歩で扉まで行き、少し開けて階下を覗いた。

私は二階で寝ていて、声は一階から聞こえていた。

声のする方を見ると、真っ白な二つの体がソファ...