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725話

「自分で視線を逸らすように強いる。美人を見るとその場から動けなくなるこの性分、もしかして病気なんじゃないだろうか?

治したほうがいいな!」

「ふん」

美人の女社長が鼻を鳴らし、エレベーターのドアが開くとすぐに大股で出て行った。

私は彼女の後を追った。彼女の背後から漂ってくる濃厚な香りを嗅ぎながら、全身が警戒態勢に入った。くそ、俺は発情してしまったのか!

この香り、何か変な感じがする。

「いいわ、あなたは外で待機して。何か様子がおかしいと思ったら、すぐに中に入って、誰でもいいから取り押さえて。わかった?」

美人の女社長はホテル一番の特別室の前で立ち止まった。ドアの前には二人のがっしり...