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720話

「わかりました」

初めての任務だ。正直、少し緊張していた。私たちはヘリコプターで直接国境へ向かい、そこで国境警備隊の手配のもと、各小隊と共に山中へ巡回に入った。

数日間探し回ったが、例の密取引の痕跡は見つからなかった。

「なあ、この情報って、問題あるんじゃないか?」

王康衛が助手席から振り返り、無造作に私に尋ねた。口にはエノコログサをくわえ、その姿はとても滑稽だった。彼こそが教官が厳選したエリートの一人だ。

私は首を振った。この件については、本当に知っていることが少なかった。任務に出発した日から今まで、私はずっとこの大物麻薬王について調査していた。男か女か、一体どんな人物なのかを研究していたの...