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705話

私は俯いていた。彼女には私の表情など見えるはずもない。

「こんなにも私を信じてくれるんだね」

「ええ、あなたを信じてるわ。これだけ長い間一緒にいて、あなたをこれっぽっちも信用できないなんて、それこそ時間の無駄だったってことになるわ」

彼女は非常に断固とした様子で頷き、前方を見つめていた。

私の胸が高鳴った。最初は私が彼女を強制し、脅し、手に入れたが、今では二人ともこの関係を楽しんでいる。この変化を私はずっと見てきた。ただ、彼女の心の中で、私がこれほど重要な存在になっていたとは知らなかった。

彼女が、ここまで私を信頼してくれるようになったとは。

「その言葉のためなら、これからは火の中...