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690話

私は黎秘書の部屋を見回した。携帯は彼女に取り上げられ、他の物も彼女に回収された。一体どこに置いているのだろう?

A市との連絡はもう一ヶ月以上取っていない。向こうが焦っているのか、私を探す方法を考えているのか、白おばさんたちがどう過ごしているのかも分からない。

「携帯…」

そう、携帯だ。携帯を見つけて、趙将軍に電話をかけ、一体何のつもりなのか聞かなければ。

私は立ち上がり、黎秘書が寝ている間に、こっそりと自分の携帯を探そうとした。なぜだか分からないが、まるで泥棒のような後ろめたさを感じていた。

自分の携帯を探しているだけなのに、まるで泥棒のような気分になっている。

彼女の部屋は私たち...