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679話

蛇口を閉めてから五分とたたないうちに、上階から扉の閉まる音が聞こえた。あの女の部屋の方向からだ。はっきりと聞き取れた。私は邪悪な笑みを浮かべながら、準備したものを手に取り、素早く浴場へと向かった。

男湯、女湯。

どちらも同じ方向にあり、左右に向かい合って、その間は百メートルほどしか離れていない。

暗闇に紛れて、一足先に女湯に忍び込んだ!!!

「どうして急に水が止まったのかしら?」

あの女が入ってきて、入口の灯りを一つつけると、辺りを見回してから服を脱ぎ始めた。私は水の入ったバケツを持って一番奥の個室に隠れていた。この照明の具合なら、彼女には私の姿など見えるはずもない。

「明日、修理工を...