天からの幸運

651話

私のために、彼女は自分を、こんな姿に変えてしまった。

ベッドサイドの棚の上には、前回私が彼女に贈ったプレゼントがまだ置かれていた。彼女にそっくりな人形だ。

「入るの？」

施向南が前を歩き、長い間反応しない私を振り返った。遠くに立ち尽くす私を見つけると、三秒ほど待ってからゆっくりと戻ってきて、小声で尋ねた。

私は頷き、やっとのことで足を動かして近づいた。施向南がドアを開くと、施向北と施のお母さんが振り返って私を見た。

「何しに来たの？まだ彼女を傷つけ足りないっていうの？」

施のお母さんは私を見るなり表情が一変した。それまで憂いに包まれていた女性が、突如スーパーマリオのように変身し、大声で...