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650話

私の後ろについてきている、付き添いに両脇を抱えられた趙小虎を見て、施向南の目が途端に冷たく鋭くなった。

「お前は首府で大騒ぎして、この男を捕まえるためだったのか?」彼は当然ながら趙小虎がどういう人間か知っていた。あの学校での事件は施向南自身が処理したもので、彼女の手で趙校長と趙小虎を破滅させたのだ。今、趙小虎を目の前にして、いつもは温和な玉のような男が、まるで地獄から戻ってきた悪魔のように変貌し、飛びかかって趙小虎を引き裂きたいという怒りを抑えきれないようだった。

私は彼を制した。ここは空港だ、それもM国だ。過激な行動を取れば、彼にとって良くない。

「そう、彼を探しに行ったの。今や彼らは...