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63話

もともと彼女はこの男を利用して、自分の夫を取り戻し、家庭が崩壊するのを防ぎたかったのだ。

「どうしようもないわ。今は、誰も頼れる人がいないのよ」

こんな事は、元々光栄なことではない。白おばさんが厳という男に声をかけたのも、彼がもともと遊び人だったからで、こういった事には何の躊躇もないからだ。

だが、もし別の人、それも金持ちの二代目で、まあまあ見た目もいい男だったら、誰がこんなことをするだろうか。

「このまま諦めるの?」俺は悔しそうに尋ねた。

白おばさんの問題は、俺の問題でもある。

このまま諦めるわけにはいかない。外にいるあの派手な女たちは、礼義廉恥という四文字がどう書くかも知らないのだ...