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617話

「わかってる、今晩は本当に本当に悲しいことになる」

「いいよ、入れて」

程雪莉は息を詰まらせながら答えた。私が慰めの手を引こうとして、この失敗を完全に終わらせてベッドに戻ろうとした矢先だった。

ところが、その時、小さな手が私の動きを遮った。

「このまま...ここまでしたんだから、続けましょう」

程雪莉は目をきつく閉じたまま、喉から声を絞り出していた。あまりにも小さな声で、彼女の唇に顔を寄せなければ全く聞こえなかっただろう。そうしなければ、この絶好の機会を逃すところだった。

私は一瞬固まり、完全に理解できずにいた。

「今、何て言ったの?」

信じられなかった。ずっとこのことを拒んで...