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566話

「敵の敵は味方、そうだろう?」

程雪莉は結局それ以上追及せず、慕容嫣然のことについても何も聞かなかった。ただ、やはり荷物をまとめて出張に出かけた。私は彼女を空港まで送り、急いで帰ってきてシャワーを浴び、着替えて張さんとの面会の準備をした。

場所も前回と同じ、人も同じで、周建国が私に付き添っていた。

張さんには何度か会っているが、こういった格式ばった場には未だに慣れない。

だが、周建国が言うには、これは高い地位にある者として知っておくべき常識だから慣れるようにとのこと。ならば慣れるしかない。

「お父さん」

私と周建国はほぼ同時に到着した。彼が車から降りてきたとき、手には古風な箱を抱え...