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474話

「先ほどまで窓辺に立っていた女性が、今は忽然と消えてしまった!!」

私は部屋から出て確認した。さっきの個室に間違いない。部屋の中にある高性能望遠鏡も、私が離れた時と全く同じ状態だ。

「慕容嫣然!」

私が呼びかけても、個室からは何の反応もない。慕容嫣然はこんな時に私と隠れんぼをするような人ではない。となると、唯一の説明は——彼女に何かあったということだ!

「お客様、我々のオーナーがお会いしたいとのことです。こちらへどうぞ」

私が部屋から退出すると、先ほどまで誰もいなかった入口に、黒服のボディガードが現れた。室内なのにサングラスをかけ、物々しい雰囲気を漂わせている。

「この個室にいた女性はどこだ?...