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424話

「先に出るよ、彼女とゆっくり過ごしてあげて」

二人部屋だった。彼女のルームメイトが出て行った後は、我々二人だけになった。靴を脱ぎ、少し痛む眉間を揉みながら、布団に包まれていた彼女を引き寄せ、腕の中に抱き締めたまま目を閉じ、眠りに落ちた。

どれくらい経ったのだろう、自然と目が覚めた。瞼を開けると、彼女が私の腕の中で横になり、既に目を覚まし、小さな瞳で私を見つめていた。その表情は穏やかだった。

「どけ」

その穏やかさは私の錯覚だったのかもしれない。一秒も経たないうちに、彼女の表情は冷たく変わった。

私は横たわったまま動かず、彼女の腰に回していた手を一度引き、再び彼女の掴みきれないほど細い...