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419話

彼女はさながら女王のように、私の上に跨り、見下ろすような視線を向けていた。

「逃げたいの?」彼女は玉のように白い指でシャツのボタンをつまみ、素早く私の服を脱がせると、ベルトに手をかけた。さっきとは完全に立場が逆転し、今や押さえつけられているのは私のほうだった。

「まさか本気で俺とヤりたいってわけじゃないだろ?確かにここ数日女には飢えてるけど、お前みたいなのには興味ないんだよ」

彼女が素早く、そして手慣れた様子で私の服を脱がせていく姿には、はにかみも遠慮もなく、ただ焦りだけがあった。その行動と彼女の顔を結びつけるのは難しかった。

「あなたが好きになる必要はないわ。私が好きならそれでいい」...