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161話

「施如玉!」

歩きながら、私は彼女の名前を呼び続けた。

「施如玉!」

教学棟全体に私の声が響き渡っていたが、彼女にはまったく届いていないようで、何の反応もなかった。

教学棟中を隅々まで探したが、彼女の姿は影も形も見つからなかった。

「見つかった?」

劉俊傑に電話をかけると、彼も息を切らしていた。明らかに私と同じように走り回って探していたが、手がかりは何もないようだった。

「まだだ。倉庫を探してない。これから駐車場も確認してみる。そっちは?」

「何もない」

電話を切ると、全身から力が抜けていくような感覚に襲われた。苦しくて額には大粒の汗が浮かび、体中の毛穴から恐怖が滲み出ていた。私は怯えていた。...