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1308話

高官である趙秉承は、私たちが入室するなり、今日の予定が狂うことを悟ったようだ。階下から物音一つしない。下にいた者たちは全員、私たちが片付けたということだ。

「何をするつもりだ?」

彼は血まみれの腕を引きずりながら、少しずつ後ずさった。私は歩み寄り、床に落ちていた物を拾い上げ、しばらく眺めた。

「なるほど、このような盗聴装置を漏らしたのはお前だったのか?」

この装置は見覚えがあった。以前、婉児の身に付けられていたものと同じだ。あの時から内通者がいると疑っていたが、特定できずにいた。まさかこんな裏切り者だったとは。

「つまり、お前はジョンとも知り合いだったのか?ジョンは張さん側の人間なの...