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1208話

「俺たち二人は兄弟同然だ。お前が気に入ったならそれでいい。お前の采配に任せる。お前を信じないわけがない、兄貴は当然お前を信用している。一言で言えば、取るのか、取らないのか!」

向こうから勝手に差し出されてきた金を、断る道理などあるはずもない。私は当然、その金を受け取った。ついでに雪莉にも一言、王有権を見かけたら避けて通るように言っておいた。そもそも私はいつも雪莉の側にいるのだから。

王有権の性格など、私が知らないはずがない。あの屑は、女への執着心が金銭欲よりも激しいのだ。

「何て言ったの?」

王有権を見かけたら少し避けて通るように、と言った私の言葉に、雪莉は書類から顔を上げ、何度か瞬き...