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1189話

「これは私の口の中のよ」

絶対に渡さない!

「渡さないって?」

婉児の目が一瞬光り、口を開けて私の口元に噛みついてきた。その勢いといったら、私の肉を一口噛み千切らない限り、絶対に離さないという覚悟が見えた。

私は目を閉じ、彼女の好きにさせることにした。本気で噛むつもりなら、好きにすればいい!

しばらく待っても、痛みは来なかった。代わりに温かい唇が私の唇に触れ、蜻蛉が水面を掠めるように、軽くキスをした。

目を開けると、婉児が顔を赤らめて後ずさりしていた。

「あなたの口元に、スープが付いてたの」

彼女は頭を下げ、胸元まで顔を埋めようとした。私は手を伸ばし、指で彼女の顎を持ち上げ、顔を上げさせて私を...